minodaグルメブログ

レストランからカフェまで食べ歩きまくり日記

東京 渋谷 外苑前の2つ星レストラン『フロリレージュ』

2020アジアベストレストラン7位

ミシュラン2つ星等

様々な受賞履歴のある日本を代表するレストラン『フロリレージュ』

 

【Florilège】とは様々な作家の詩がまとめられている詞華集という意味で、

生産者や食材、料理人の思い等を紡いで伝えていくコンセプトのレストランである。

 

有名なのはサステナビリティと題された牛肉。

出産を経験した経産牛と言われるお肉が出てくるのだが、

味が劣るとされ、ほとんどが加工にまわされてしまう牛肉をあえて使っている。

 


レストランの食事体験を通して、

川手シェフのフードロス問題への思いも込められている。

 

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2015年に青山から外苑前へ移転をした

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アジアベストレストラン50に何度も入賞している

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今回のメニュー 季節ごとに変えていくらしい

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食前酒

 

 

 

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ヤングコーン

一品目。

皮つきのヤングコーンの姿で提供された料理は、

ポレンタというトウモロコシの粉を練ったものが詰められている。

乾燥させたヤングコーンのパウダーがかけられて香ばしく焼かれた良い匂いが漂う。

 

手で皮を割いて、

スプーンで食べる温かい前菜で

優しいコーンの甘さが程よく緊張をほぐしてくれる。

 

 

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アオリイカ

 

 

続いて二品目。

 

フロマージュブランという

クセがなく軽やかな味わいのクリームチーズとヨーグルトをアオリイカで包んだ料理。

 

中を割るとキャビアが入っていて、

イカのねっとりとした甘みと乳脂肪分と酸味がマッチしていた。

 

キャビアの塩気が味を引き締める。

 

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アオリイカ

 

そのあとに出されたのが同じアオリイカ

こちらは足のゲソを調理したもの。

 

ポレンタの衣にカブのぬか漬けのピューレソースが添えられている。

天ぷらのようにカラっと揚げられていてソースの発酵臭と酸味がとても美味しかった。

 

 

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椎茸 バッカスチーズ

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テーブルにサーブされた後にバッカスチーズソースがかけられる

 

温かい料理。

 

椎茸 バッカスチーズソース 椎茸だしの卵豆腐

 

バッカスは長野県で造られ、ナッツ香と優しいミルクの甘みと旨味が特徴のチーズ

キノコ類とチーズの相性は誰もが知っている美味しい組み合わせ。

 

それだけでも美味しいのに、

スライスされたトリュフの芳醇な香りが料理のクオリティを引き上げている。

 

 

 

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食事の途中でテーブルに運ばれてきたメインディッシュで提供するホロホロ鳥

 

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サスティナビリティー 牛

 

冒頭で説明した経産牛を使った一皿。

 

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薄くスライスされた牛肉のカルパッチョ

下のジャガイモは燻製されていてスモーク香があり、

そこにキッチンから出たクズ野菜でとったコンソメをかけている。

 

川手シェフの思いが詰まった逸品。

 

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トレビス

ヨーロッパではポピュラーな

ほろ苦い味が特徴のトレビスを使った料理。

 

中身を開くと

クミンのようなスパイス類と共に練られた鹿のミンチ肉が詰められていて、

一口噛むと赤身の肉々しい力強い味わいが感じられる。

 

ビーツの土っぽい香りが野性味を引き立てていて、

サワークリームの酸味がバランスを取っている。

 

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ちょっと見た目からは伝わり難いが鮎の料理だ。

鮎のフィレで内臓のソースを包んでいて、

上には白瓜のスライス、山椒の香りのするシート、ディルのピクルスが乗っている。

 

隣は生姜と青のり、トマトを濾して作ったクリアウォーターが

ソースとして添えられていて、

どの食材も鮎とは相性が良いのでこちらも間違いのない逸品だった。

 

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かつお

続いては、藁で燻されたカツオ。

上にはスベリヒユが乗っている。

間に青唐辛子を使ったカレーペーストが塗られていて、

周りには落花生とココナッツを使った泡状のソースがかかっている。

 

一緒に食べるとタイのグリーンカレーのような味わいになるのだが、

何故カツオと合わせたのかはあまり良くわからなかった。

 

他の食材に変えても相性は良さそう。

 

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かつお

カツオを使ってもう一品。

 

カツオのつみれに新生姜のガリが張り付けられていて、

温かいカツオだしが注がれている。

 

 

さっきとは打って変わって急に和食テイストの料理が出てきた。

日本人には馴染み深い味わいでとても優しい。

 

個人的にはグリーンカレーの前にこちらをいただきたかった、

結構スパイスや辛みの余韻が感じられてしまった。

 

そこを含めての順番だったかも知れないが。

 

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分かち合う

 

 

ホロホロ鳥に、

その骨や肉で取ったブイヨン、

ほうれん草ピューレのみのシンプルな構成。

 

 

サスティナブル牛と同じように、

分かち合うと題されたこの鶏肉料理にも、

塊をともに分け合う川手シェフのメッセージが込められている。

 

 

 

 

 

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パッションフルーツ

お口直し。

 

パッションフルーツのクリームに

パッションフルーツのシャーベット

パッションフルーツのゼリー

 

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パッションフルーツを色々な形に変え、

レモングラスの香りを移した泡を添えている。

 

 

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マンゴー

 

カットされた宮崎産のマンゴーに、

ココナッツミルクを使ったブランマンジェ

周りにはマンゴーのソース。

上にはミルクパウダー。

 

もちろん味は美味しいのだが、

思ったより定番な組み合わせのデザート。

 

締め括りとしてはもう少し複雑な構成にしても良いとは思った。

 

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ぶどう飴

 

 

 

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贈り物 アマゾンカカオ

 

デザートの最後にはアマゾンからの贈り物、アマゾンカカオが提供される。

これもフロリレージュでは代名詞になっているかも知れない。

カカオ生産者と関係を深めてきた料理人、太田哲雄さんとの交流で使い始めた。

 

程よい甘さに仕上げられていて、中からトロトロのチョコレートがあふれ出してくる。

 

 

 

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料理のおいしさはもちろん、

サスティナビリティ、フードロスといった社会問題に対する料理人ならではの考え方や思いを分かりやすく提議してくれるレストランは今後も世界規模で活躍していくことだろう。